樹海の怖い話

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見つけた。
ぶら下がった足の向こうは視界が木で覆われている。
ぼくは不謹慎に閉塞感の中で安堵する。
休もう。撮ろう。

ソレがご◯体と認識できない。
すぐに人形と思ってしまう。
じっくり見ても巧妙な作りものになる。

目は脳の部位が剥き出しに出ていると言われていて、きっと僕の脳が今、日常に戻ろうと必死になってる。

高い場所にあった。
2本の木、1本が斜めに梯子のようになっている。
なぜ、こんなにも高い場所を選んだのか?
最期を確実にしたい決意と読み取る。

そばに小さい子からの手紙。
お父さんの文字はなく、母と子から男性へ。
切なくて胸が苦しい。

僕は命をつなぐボランティア講座に毎年出席しています。
大事なことだから。
お宿が樹海村にあり、水際対策を必要とする自治体の講座を無料で受けることができるから。

ずっと志◯者に声をかけていいか迷いはあったが今は積極的に声をかけている。この場所に来る人はもう決意が固いと思っていたがそんなことはなく、迷っている。声をかけて変な方向に進んでしまうと躊躇する、でもプロは「声をかけてください」と言っていました。

毎年この場所で行ってしまう人の数が年間30-40。
東尋坊が10弱なのでさすが世界一の樹海。
過去は100ということなので世界は良い方に進んでいる。ファクトフルネスは僕の故郷でも証明されている。

ただ今も30-40。
10日に1人と考えるとすごい頻度だし、信じることができない。地元だから実感がない。この近く、今も誰かが彷徨って迷っているかもしれない。

聞こえる。
鈴の音が聞こえる。
秋の虫の音かなって思い過ごしかなって思っていた。

僕の家は四方樹海だから。
最初はお昼の登山客の鈴の音を聞いてとても安心した。
でも夜もまた聞こえてくる。

トラックの音かな。似た音を聞いた時は安心する。でも全然違う時がある。
大きな鈴の10センチが3つ、思い切り揺らすような音がする。
遠くの方で聞こえていて近づいてきたらと思うと眠れない。

その夜、怖くなって風穴に1人でいった。この場所はブルーライトが妖しく照らす、団地へ続く入り口にある。(団地とは多く見つかるエリアのこと)
車のエンジンはそのままで駐車場に停めて向かう。手を合わせる。
「僕には何もできません」

その日を境にぴたっと止んでしまった。
止まないでほしかった。
確定させたくなくて、でもじっとしていられなくて、ああ後悔がすごい。

油断させているかも。
次聞こえたらもっと大きな音になっているかも。

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