【中道往還】廃ホテルから室町時代の廃道探し!廃隧道の真上

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中道往還を歩いて…こんな時代にハリー・スチュワートは何を思うのだろう

山梨県道706号精進湖畔線から右の廃道に入ります。

ここに見えるのが廃ホテルの精進ホテル。
直下の廃隧道、宇の岬トンネル。

室町時代の中道往還が西側、写真だとホテルのむこうか?左側か?

時空を超えた旅へ

精進湖エリアは明治の道が楽しめる。
中道往還はなんと室町時代。

私も分からないことだらけの状態で出発しています。
一緒に謎解きをしましょう。

旧宇の岬トンネル

データベースでは昭和29年。
しかし竣工は昭和9年のようです。
何度かのアップグレードをしているということなのでしょうか。

リスナーさんの情報で1900年にすでに存在してたとのこと。
明治33年…その頃は素掘りだったのでしょうか。

河の標石は精進湖管理ということのようです。

右から読む。宇乃岬。

昭和9年の字。

廃隧道の上に登ってみました。

現在の宇の岬トンネルが見える。

石垣が左右違います。
左は新しい、現在のトンネルに続いてます。
ここが境界かな。

地図で確認すると精進ホテルのむこうを中道往還が走っているはず。
これ以上は敷地内なので一度本栖側から探ってみます。

ここからみても美しいって分かる。
もう世界文化遺産になったこの地域では珍しい赤の屋根が逆に古さを感じさせる。

宇の岬トンネル

1989年3月
昭和64年
平成元年

平成元年なにをして過ごしてましたか?

もう30年以上前で、今が令和。
時間の流れが早くて怖いですね。

このトンネルの上は山道なのか。
地図ではホテルの西側に道があるはず。
本栖へ続くこの先の中道往還を探してみましょう。

地図解説

平成2年から昭和47年、昭和27年、明治29年と時を遡ってみましょう。

平成2年の地図

今のトンネル。

パノラマ台の登山道。

県道には中道往還のなごりはありません。

昭和47年の地図

前のトンネルです。

139号線に橋がなくなりました。

まだ中道往還ではなさそうですね。

ここからいろいろ大きく変わりますよ。

昭和27年の地図

トンネル表記がなくなりました。
地図には掲載してませんが素掘りのようなトンネルが道の下にあったかもしれません。

家屋の西側の道は山の上です。
中道往還のなごりだと思われます。

パノラマ台の登山道の他に点線の道が現れました。
他手合浜から現在の廃道が精進峠とパノラマ台に続いています。

明治29年の地図

139号線がない。

室町時代の中道往還は明治にも濃く残っていたように思います。

現在のパノラマ台の登山道が地図から消えてました。
現在廃道の他手合浜の道が地図で太く表記されている。

中道往還

この山の上に道はあるのか?

ホテルの続く道。

ここがきっと中道往還だ。

少し奥、不安になる直前に確信した。

石垣があった!
ここにいてくれてありがとう。

今も大雨の日は川になってるだろうと思える地形。
以前は簡単な橋があったのだろうか。

この先、精進ホテル。

1582年天正10年には徳川家康もこの峠を利用して甲斐国へ入った。
本能寺の変の年だ。

本栖湖方面。
本栖城の渡辺因獄佑も歩いた道。

海産物を運んだ道。
駿河国から揺れておいしくなったアワビの醤油漬けが、現在山梨県の名産品となっている「鮑の煮貝」だ。

おいの峠

本栖方面に歩くと、おいの峠に着く。
精進湖の一番西側。

昔、偉い人がこの峠に荷物を忘れて行ってしまった。
おい=荷物で、おいの峠らしい。

地元の人はこのエリア一括りでおいの峠と呼ぶ。
例えばこの精進湖の一部であるこの西側の湖もおいの峠。

細かいこと言えばこの写真の峠がおいの峠と知ってとても驚いた。

精進ホテル

トンネルの反対側に来ました。

もう使われない標識が寂しそう。

廃道マニアにいわせると「明治隧道に寄せた感じだけど上辺だけでなりきれてないような、残念!」らしい。
隧道歴が浅い私には可愛い感じに見える。

精進ホテルのフォントが懐かしい感じ。
明治29にハリー・スチュワート、星野さんが日本初の外国人専用ホテルとして建てた。

そして県下初の洋式ホテル。

車道の脇によく見ると人が歩く道がある。
昔は車をここに止めて上まで歩いたのかな。

この先は他手合浜、いむらの竜泉寺、諏訪神社とつづく。

他手合浜の廃道

少し中道往還をそれます。

地図で見るとふじみ荘、レストランみずうみを山に進んで途中から左。

精進マウントホテル、山田屋ホテルをすぎてダムがある。
右は精進峠へ。

左はパノラマ台、こちらはもう廃道、途中まで登山道としても利用されていない。

今回はショートカットで山田屋ホテルから進む。

猫に行ってきますを言う。

田舎の小径はやっぱりいいなあ。

この先を進んでいくとダム。
右は精進峠、左はパノラマ台の廃道。

精進湖畔の居村(いむら)

中道往還に戻りました。
日本全体からみてもお寺と神社が並んだ風景は珍しい。

竜泉寺

富士河口湖町内でなんと最古。

せっかざんと読む。
剗海(せのうみ)は石花海とも書きますよね。これは石花山。

星野さんのお墓。

他のお墓と違って特徴的な形なのですぐ分かります。
この場所とても静かで、おだやかで好きです。

精進諏訪神社

お寺に並ぶようにすぐ隣です。

天然記念物の精進の大杉。

丸金0を見つけました。
樹海に点在する丸金の標石をご存知ですか?

甲府市の右左口にある日陰山 金刀比羅山の砦跡がある。
宗教の道で交流があったのかもしれない。

樹海にも金と書かれた謎の標石がいくつもあります。

さいごは大杉と、思いにふける

道を辿ってみると想像以上の発見、感動がありました。
ここから見える場所は安らぐ場所。
竜泉寺で星野さんは何を考えてるのでしょうね。

今コロナウイルスで宿泊業界も観光もいく先見えない、一寸先闇ではなくもう闇の中にいます。
星野さんはどんな戦略を練っているのかなって想像しました。

さいごまで読んでいただきありがとうございました。
私と一緒にまた旅をしているように見てもらえたら嬉しいです。

人工物が自然に飲まれていく景色…
人工物が自然を飲み込もうとした形跡が
寂しさや侘しさでなんだか癒されて、なぜだか明日も頑張ろうと思える。

田舎がやだった時もあったけど歳を重ねたら自然が好きになっていた。
ここはぼくの故郷なのでご先祖さまが見た景色がある、歩いた道がある。
廃からそれを知って、廃がそこにあり続けていてくれたことに感謝する。

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